こんなメンバーで学んでいます

こんなメンバーで学んでいます
クリスマス会での集合写真

2015年7月29日水曜日

聞き取りレッスンで、英語がいえるようになる理由

教室では、以前、私が一人ひとりにCDの英語のナレーションやセリフの聞き取りのレッスンをしていました。
私ひとりで春休みの1日をレッスンすると、そのうち声がかれて出なくなったこともあり、いつのまにか中学生以上が小学生以下の練習につきあってくれるようになりました。
 通称「ナレウィーク」。自分が一緒に英日のナレーションをいう子の担当をする場合もあり、もちろん教える方もそこの場所はしっかり覚えてきています。

 小2と高1のペアのレッスンの成果を聞かせてもらったところ、二人の息もぴったりでつまることなくナレーションが流れるようなきれいな英語。発表1か月前に、ここまで言えるようになっているということは、相当練習したんだろうと思いました。
 ところが、家で猛特訓などしていないとのこと。実は、急に聞き取りレッスンの生徒さんがキャンセルになったことがあり、その時に小2の子を呼び止めて、レッスンの生徒さんにしたことがあったのです。その時以来、たぶんひとりで練習していたのではと推測されます。

 他にも、小4の子が、「一緒にやってくれる人がいると楽しく練習できるからいい。」といっていました。ナレーションの英語を覚えるのも孤独な作業ではなかったことが、ポイントだたようです。

英語絵本で。英語ペラペラになる?

自分が子どものころから本好きで大学で司書資格取得、図書館嘱託として働きつつ、英語を子どもたちに教えている経験からすると、
英語絵本を勉強の材料に使うというだけのことでは、英語で話せる子どもにはならないというのが結論。
 確かに日本語での会話もままならないベビー、幼児さんに英語のレッスンをするには、絵本や歌、クラフトが一番ノリがいいという現状はあります。
 でも、高校生大学生まで、どのようなプログラムで育てていき、豊かな英語の使い手にするかというビジョンがなければ、英語オンリーで絵本を読み聞かせしても、子どもの中に「?」がたまるばかりで効果は薄い。(英語のリズムにふれ身に着けるという効果おおいには期待できます)
 絵本の読み聞かせには、子育てを楽しくするうえ、親子のコミュニケーションを将来にわたって有効なものにする共通言語作りと、子どもの想像力をはぐくむ等、優れた効果があります。
(興味のある方は都立多摩図書館編のわかりやすいパンフレット等お読みください。)
 とすると、親が日本語でおひざにお子さんをのせて読み聞かせしてあげるほうが、本来の絵本の効果は出るでしょう。

 その点、ラボでは、テーマ活動という絵本や物語を英語習得にいかすメソッドが50年近い歴史の中で確立されているので、英語絵本を入口に出口はグローバル人材!

 「フランスの子どもは夜泣きをしない」という本で、いかにフランスのママが子どもをよく観察して、それに応じて理性的に適格な対応をしようとしているかが語られていて感心しましたが、その子が英語で感じ、表現する力を伸ばすために先輩ラボテューター達が心血を注いできた、その熱意が、稀有なメソッドを確立したと、この頃は実感します。
 あとは長い子は20年近く教室に通わせてくれる保護者の理解があることもポイント。
おむつやスタイをしていた子が、高校生になり、留学に飛び出していく。そのうち年下の子達に教えてくれたりアドバイスくれたり、子ども同士が自然に学びあう環境も出来て、それがまた大人が強制するより有効。
 英語絵本を読み聞かせに使って、英語の歌を歌い、ハロウィンなど行事はネイティブを読んで行うという教室等とくらべて、テーマ活動で英語の豊かな使い手を育てるラボは、教える側の技術は相当なものが要求されますが、子どもの確実な成長がのぞめ、それがまた喜びとなり仕事として続いています。自分の孫を教えるまで長きにわたり続ける人が増えているのも、効果があるゆえでしょう。

英語教室のイングリッシュキャンプだけど、イングリッシュオンリーではないサマーキャンプ

サマーキャンプで、子どもにとって大事なことは何か。
将来、豊かな英語の使い手になるために。

今回、特徴的だと感じたのは、このキャンプのリピーターである8歳~13歳くらいまでの子達のコミュニケーション能力の高さ。その場にいる人を、適度に巻き込みながら、自分のことをバランスよく伝えながら、どんどん会話して仲良くなっていく。大人の自己紹介とは違い、お互いの出身地も趣味も知らなくても、ちょっとした日常作業の中で、彼らはどんどん楽しく親しくなっていく。グループ活動で、大人枠に逃げ込んで見守る側に回ろうとする私にも、「荷物持っててあげるから、やってみ!」などといってさりげなく参加を促してくる。この能力は、国際交流にいったらホストマザーやファザーとも関われることの証明。

また今回のキャンプテーマ西遊記にちなんで用意されているプログラム、墨絵、悟空の剣法?、京劇にちなんだフェイスペインティングなど、大人が強制しなくても積極的にどんどんトライしてみる。失敗を恐れずものおじせずに何でもやってみる精神はホームステイ先の家族のファミリールールや習慣になじむときにどれだけ役立つことだろう。

アメリカンユースも到着時には、こんな小さい子と何をするの?と憮然とした表情の子でも、プログラムがすすむにつれて、自分の役割りを感じ取り、メンバーの一員として楽しみ始め、表情が生き生きとしてくる。「いつもの自分」が通用しないところでお互いに楽しく過ごせること、これは多様性を身に着けるとても良い機会であることは、国籍に関係ない。

これがもしイングリッシュオンリーのキャンプだったら、小学校低学年は生活ルールやプログラムの理解すら難しくてホームシックにかかったかもしれない。
英語教室やキャンプに送り出す保護者が、一言でも多く英語にふれて「英語ペラペラ」になってほしいと願う気持ちはわかる。
 日経電子版に、学習院大学が2016年に国際社会科学部(仮称)を新設するとあった。室長のことばとして、『日本経済は輸出主導型から、世界の人たちと協働して価値を生み出す方式へと変革が数んでいる。そこでは「人の国際化」の推進が必須となり、大学におグローバル人材の養成が求められている。
 グローバル人材に企業が求めている能力は、英語力に加え、国際社会の理解と課題解決力である。』
 英語漬け、帰国子女のような状態に3泊4日おいて英語ペラペラになるならともかく、帰国子女でも数か月数年で英会話力は消えてしまう。
 

英語が飛び交うという場面は、ラボキャンプの場合、テーマ活動でとくに高校生が英日でいうことがその環境をになっている。損語句っぽい動作で、気持ちをこめて英語を言っている憧れの高校生のを目の当たりにする小学生たちは、その英語の意味をより深く受け取り、体感することになる。(孫悟空が英語を話すっていうのも何なので、中国語のライブラリーも出来たのかしら?笑)
 とりあえず、歌は一曲中国語をいれて、それも高校生は完璧暗記して歌ってたので、つじつまはあってると思います。


 そういえば今年のスプリのシニアをやった子の感想文に「いいテーマ活動をしようと思うなら、普段からロッジのみんなと積極的に話さないとだめだと思ったので、努力してやってみた。」とあり感心した。
 テューターも、日々のクラスで子どもを観察し(フランス人ママの子育てみたいに)、その子がライブラリーの英語の部分も含めてどう受け止めているかを理解し、投げかけていく。
 そうやって育てた子をキャンプに送り出すことで、イングリッシュオンリーより、日本語も、多様性も、国際社会での問題解決能力も、身に着ける。

 気の長い子育て、英語育てですが、帰国子女が帰国とともにどんどん忘却するのに対し、ラボでは日本にいながら英語環境を英日テーマ活動で作っていくことで、いつまでも伸びていきます。
 
 卒業する大学生を出すところまで育ててみたところで参加したラボキャンプ。いろいろ感じることがありました。