中高大の先生たちが、自分のテスト勉強やバイトのあいまをぬって時間をさいてくれています。
なぜ、大変なことを先輩ラボっ子達が時間をさいて自主的にしてくれるのか。
越智パーティの最高学年がまだ小学生だった頃は親が関わり、泣く泣く練習する子どもにつきあったり、励ましたり、トイレなど子どもがさりげなく目にする場所にナレーションの英日を貼るなど工夫をしてくれて。中には、放任だった人もいたのかもしれませんが(笑)。
そんな中、英語が言えない、聞き取れない、本番ではきはきいえない、そのつらさで、発表会もラボも嫌になり退会する子もいたように記憶しています。
そして、残った子達が大きくなり、「子ども同士の教え合い」が始まりました。
中学生以上が小学生以下のまだ英語が読めない年代の子が、英語を聞き取る努力をする時間を少し手伝う。コツを教えたり、どうしても聞き取れない英語は一緒に聞き取ったり。
ときには、日本語からその英語を推測して、推測した英語が本当にCDから流れてくるか一緒に確認したり。
「ほんとだ!聞こえた!」というその瞬間の生徒さんの嬉しそうな顔はなんともいえません。
そのうち、先生側になる子どもたちのやる気、モチベーションをあげる出来事がありました。
数年前、今、中学生女子が小学生の時、どうしても聞き取れない、言えないという状態におちいっていて、毎週、小学生Gで自分の番になるとナレが言えない。顔色が曇ります。
そんなことが続いていたとき、自分も覚えるのにとても苦労していた一学年上の小学生男子が、
「テューター、来週、ラボが終わった後、すこし場所を借りていいですか?やりたいことがあるんです。」とのこと。なんのことかわからなかったのですが、いいよと返事して次の週。
男子は自分のゲーム機?にライブラリーを落としてきて、その女子と、うちの廊下で一緒に練習しはじめたのです。短く区切って音を付けてはとめ、いってみての繰り返し。
「えらいなあ」と思ってみていましたが、確かその頃は、ジュリアスシーザーか何かの練習で中高大が早くきて教室は使っていたので、あまり私もその二人に関わることはありませんでした。
でも、なんと、その女の子が、一緒にレッスンをしてくれた男子の心意気に勇気をもらい、言えるようになってきたのです。
「ああ、人の気持ちって、こんな風に人を動かすんだなあ。」と感動したし、中高大生が一緒に聞き取りのはじめを手伝って一歩踏み出させてあげることで、その後、いろいろなドラマがいろんな子に起こることを、みんなが知りました。
子ども同士の刺激、学びあいの中にはたくさんの成長の魔法の薬ともいえるものが入っています。
その「魔法の薬」をたっぷり使えるようになった、パーティ20周年め。まだまだ私の知らない魔法があることでしょう。