こんなメンバーで学んでいます

こんなメンバーで学んでいます
クリスマス会での集合写真

2014年5月29日木曜日

子どもはどうすれば多様性を受け入れられるようになるのだろう。

今の日本の一般的な学校教育を受け入ている子ども達が、どうすれば、世界にはいろいろな価値観、場合によっては全く自分と違う考え方があり、それを尊重することを、こころで学べるのだろう。

「古代ギリシャのいいこと図鑑」を使って話してみました。

今回は、ギリシア神話をテーマに小学生クラスが英日で学び、できれば冬には英語だけで発表したいと高学年から申し入れられました。
 でも、まだみんなの手元に一緒に聞けるライブラリーがない。そんな時は、ゆっくりギリシアにふれようと、小学生向けの本をかりてきて一緒に見ました。

 まずは、「日本でいいことっていわれてるのはどんなこと?」
意外と子ども達は答えられない。
 「いいことしたねっていわれるのはどんな時?」
 学校でいい成績をとるとか、お年寄りに席をゆずるとか、そんなことがぽろぽろと出てくる。
最近入会した子が、「ニュースでいってたけど、線路で倒れてしまった男の人を助けたとか」と話してくれる。

 では、古代ギリシアのいいこと図鑑にはなんてかいてあるか見てみよう!

 「今から約2500年ほどむかし ギリシャで…
美しくて たくましい文明が頂点をきわめました
エーゲ海の島々がうみだした(この中のひとつがセリポス島だね)
人間と神さまの世界
古代ギリシャがたいせつにしたものは
のちのさまざまな文化のお手本になりました」

1ページめをよんで次をめくると、こどもたちが「ぎゃー!」「わぁー!!」と悲鳴をあげる。

「はだかはいいことだ」と大きな文字と一緒に、アルテミシオンのゼウス像の写真が出ている。

はずかしい~という子どもたちに言い聞かせるように本の文章を読みます。

「あっ、はだか!はずかし~ぃ」なんていうのはどこのどいつだ。
オレさまは神々の王、ゼウスさまとしてつくられた。超一級の男性像なんだぞ。
中略
服をまとってかくすなんて、ああ、はずかし~い。」

ずいぶんびっくりする方法で、自分たちと古代ギリシャの価値観の違いを知らせてしまいましたが、
次々と続きます。

「美しいことはいいことだ」(ミロのヴィーナス)
「踊ることはいいことだ」(踊るサテュロス)
「ほほえむことはいいことだ」(ぺプロスノコレーのアルカイックスマイル)

このスマイルには、みんな、これはいいねえと声が自然とあがるので、すかさず
ホームステイに必要なものの一つがこれであることを伝える。

「きたえることはいいことだ」(円盤投げ)
ペルセウスが、投げたのもこれだ~、普段からきたえて投げてたんだねえとみんなで納得。

「勇敢なのはいいことだ。」(ヘラクレスがライオンと闘っているところ)
「名をのこすのはいいことだ」(さいころをふるアキレウスとアイアス)
「こわいものが」いるのはいいことだ」(メドゥーサ)
 これはまさしくペルセウスがとり、アテナにささげたもの。魔よけのおまもりとして、こんなこわいものを屋根やよろいにつけたなんて感覚、理解できる?ときいてみた。

 
Tだったら、こんなこわいもの家の中に飾るのはいやだなあ、これって大人の感覚?というと
子ども達は、これはすんなり理解できるそう。
怖いものだから、もっとこわいものがこないように追い払ってくれるんだよといってました。

「いろいろいるのはいいことだ」(パルテノン神殿フリーズ)
「いろいろいるのはそりゃたいへん。でもみんながないたり笑ったりしながらともに生きる
それが古代ギリシャのいいことなんです。」

さて、まだCDもないからこそ、ゆっくりと導入できるのもいいところ。
こうして心にたまったイメージが、CDの英語、日本語の余白の部分にたまり
語彙が深まるのです。